都の感染者なぜ報告漏れ? 集計はファクス、連携できず

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荻原千明 長野佑介 土肥修一
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 新型コロナウイルスの感染者数をめぐり、東京都では111人もの報告漏れや、35人分を重複して集計していたことが分かった。対策を講じる上で基礎データとも言える総数が大きく上乗せされる事態となったのはなぜなのか。実は、各保健所は都にファクスで感染者を報告しており、人数を確認し合う作業を怠ったり、同じ感染者を複数届け出たりしていたことが原因という。都は感染者の情報を管理するデータシステムを新設し、都と保健所で共有できるようにした。

 都内の保健所は、都が自ら運営する6保健所(多摩地区や島嶼(とうしょ)部)と、23区と2市が設置する保健所で、計31カ所にのぼる。PCR検査で感染者が確認された場合、31保健所は、氏名や症状、感染経路などが記入された発生届を、集計担当の都福祉保健局にファクスする流れだった。

 多数の感染者が連日確認されるなか、福祉保健局には大量のファクスが届いていたが、都側と保健所側が電話やメールで人数を確認する作業はしていなかった。同じ感染者が記された発生届が複数回ファクスされたケースもあり、3回にわたって集計されていた感染者がいたという。

 また、死者が出た場合については、保健所から都に報告する際に決まった様式はなかった。電話などで連絡を取り合っていたといい、都福祉保健局の担当者は「保健所も忙しく、うまく連携が取れていなかった」と説明する。

 こうした状況を改善するため…

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