人口80万人の街、重症者15床で対応 扉の向こうの今
新型コロナウイルスに感染した人の約2割は人工呼吸器が必要になるなど、症状が悪化する。一方、医療スタッフの感染を防ぎつつ、高度な治療ができる施設はそう多くはない。人口80万人を超える川崎市北部では、聖マリアンナ医科大学病院のわずか15床がその役割を担っている。
今回の取材は、新型コロナウイルスの流行が広がるなか、医療現場がおかれている現状を伝えたいという思いから病院側に依頼し、実現しました。取材の際は、病院の指示に従い、感染への予防策をとったうえで、感染の危険性の高い場所には立ち入らないなど注意を払いました。
「ドアノブ触ったら手指衛生徹底」。5月1日、そんな貼り紙がされた扉の向こうで、新型コロナで重症になった9人の患者が治療を受けていた。
患者のそばへ行くには手袋、ガウン、マスクなど、厳重な感染への予防策が必要になる。そのため、普段着で活動できるナースステーションに画像モニター3台を設置し、患者の様子を常時チェックできるようになっていた。
救命救急センターの森澤健一郎副センター長は「ピークだった先週よりはだいぶ落ち着いた」と話す。
一時、重篤な患者に使う体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))は4台、すべて稼働した。もう1人容体が悪くなっていれば、使えないままに亡くなっていた可能性があった。
もともと、脳卒中や心肺停止…
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