家にいたら死んでいた…病室でフィルム越しに訴えた男性

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三上元
【動画】新型コロナウィルス感染患者を受け入れる川崎市立多摩病院=三上元、福留庸友撮影
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新型コロナ患者受け入れる病院をルポ

 新型コロナウイルスの感染が広がるなか、高齢の軽症患者や肺炎が進み酸素吸入が必要になった「中等症」の患者に対応する川崎市の市立多摩病院に24日、記者が取材に入った。入院中の患者2人が病室で、透明なフィルム越しに取材に応じた。

 「普通の風邪とは明らかに違う」

 4月上旬の夜だった。40代の男性は突如、全身のだるさに襲われた。体温を測ると40度を超えていた。「新型コロナに感染したのかもしれない」。帰国者・接触者相談センターに電話した。

 だが、なかなかつながらない。「しばらくたってかけ直すか、このままお待ちください」。音声を30分間聞き続けた。

 電話がつながると、今度は3回転送された。最後の担当者からはこう言われた。「あなたは発熱1日目。残念ですがPCR検査の対象ではありません」

 それでも熱は上がり続ける。午後10時には41度を超えた。耐えられない――。

 救急車を呼び、病院に運ばれた。インフルエンザの簡易診断は陰性。血液検査でリンパ球の減少がわかったが、PCR検査は対象外だと言われ、自宅に戻った。

 妻と二人暮らし。妻に感染させたら大変だ。ベランダ横の部屋で過ごすことにし、そこで一人眠った。頭痛、腹痛、高熱に苦しんだ。食事は妻が運んできてくれ、短時間ドアを開けて差し入れてもらった。処方された薬をのむと少し落ち着いたが、それもだんだん効かなくなった。

 発熱から4日目。体力の限界を感じた。自分で車を運転しこの病院を受診した。

今回の取材は、新型コロナウイルスの流行が広がるなか、医療現場がおかれている現状を伝えたいという思いから病院側に依頼し、実現しました。患者の男性2人は「予想以上にきつかった」「妻に感染させていないか心配だ」と訴えました。記事後半では、医師や看護師の葛藤も紹介します。取材の際は病院の指示に従って感染予防策をとり、危険性の高い場所には立ち入らないなど、細心の注意を払いました。

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 CTの画像から肺炎が疑われ…

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