東京)医療従事者にサラダ1万2千食提供 渋谷の専門店
伊藤恵里奈
東京都渋谷区に本社があるサラダ専門店が、医療機関で働く人たちに無償でサラダを届ける活動をしている。寄付とボランティアの配達に支えられ、これまでに都内と神奈川県東部にある25の医療機関に、約1万2千食が提供された。
無償提供しているのはクリスプ社のサラダ専門店「クリスプ・サラダワークス」。3月25日から都内全14店を訪れた医療従事者や病院勤務者に、無償提供を始めた。その後、無料配達を開始し、4月9日からは全店で営業を休止し、申し出があった医療機関へのサラダ作りに力を入れる。広報の大城加奈さんは「肉類などをトッピングして、メインのおかずとして色々な栄養がとれるように工夫しています」。
同社のホームページや、クラウドファンディングのサイト「キャンプファイヤー」で活動への寄付を募っている。配達をするのは社員のほか、ボランティアも。ボランティアをしたい人は、チャットツール「slack」で同社のコミュニティーに登録して、活動できる日時を調整する。
神奈川県鎌倉市の大津芽生(めい)さん(37)は、週に1度ほど車で配っている。「過去に病気になった際、病院に大変お世話になった。今の窮状を知り、寄付以外にも何か力になりたかった」と語る。ボランティアはマスクを着用し、手指を入念に消毒をして、十数~数十食のサラダを指定された医療機関に配る。大津さんは「届け先の看護師さんの疲弊した様子をみて、胸が張り裂けそうになったことも」。同社は、需要があるうちはサラダの無償提供を続ける予定で、提供を希望する医療機関も受け付けている。