Zoomは芸人を救うか 有料寄席、「配信映え」も模索

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篠塚健一
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 新型コロナウイルスの感染拡大で公演を失った芸人たちが、動画配信に活路を見いだしている。無料視聴が一般的なYouTube(ユーチューブ)だけでなく、オンライン会議システムのZoom(ズーム)を使った有料配信の寄席が登場。「配信映え」に挑戦する若手芸人も現れた。

 「これ、お客さんに見えてるの」「いま見えてますよ」「ええっ」

 芸人たちの戸惑いがそのまま映し出されるなか、4月19日午後、お茶の間ZOOM寄席が始まった。此花千鳥亭(大阪市此花区)にいる2人の講談師と、自宅にいる落語家2人の計4人が出演。事前に2千円をペイペイ(PayPay)か銀行振り込みで入金した視聴者が「観客」だ。

 支払ったのは17人。チャットの書き込みから、笑いが弾む場面もあった。出演した講談師の旭堂(きょくどう)南龍(なんりゅう)さん(39)は「どこからでも見てもらえるし、関西以外の人も多い。生の舞台が再開しても配信は続けたい」。

 千鳥亭では3月からユーチューブ配信に取り組み、4月からズームで有料配信も始めた。千鳥亭の代表を務める講談師の旭堂小南陵(こなんりょう)さん(44)は「投げ銭制度(視聴者が寄付する仕組み)のユーチューブで配信する会も続けていますが、ズームは木戸銭(料金)が確実に見込めるのが大きい。劇場も維持していかないといけないので」。大型連休にあわせて企画した5月1日から4日までの連続講談会などもズームでの有料配信に切り替えた。

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 自宅からの動画は、背景やカメラとの距離感が芸人によって様々。自分の映りを決められることで創意工夫も生まれている。

 お茶の間ZOOM寄席に出ていた落語家の笑福亭笑利(しょうり)さん(36)は、自宅マンションの一室にカラフルな舞台を設けた。疫病よけで話題の妖怪「アマビエ」をふすま紙に描き、ベニヤ板に張りつけて手作り感いっぱいだ。不要不急の外出自粛を呼びかけるご時世にひっかけて「内内居亭(うちにいてい)」と命名した。

 さらに、スマホを通した配信映えにも気を配る。「途中でスマホに寄れば自分がアップになる。いろいろ試したい」

 テレビの落語映像は、正面から全体を映すのが一般的。これに対して、配信芸ともいえる見せ方を本格的に模索するのが、昨年のNHK新人落語大賞で大賞を受賞した桂華紋(かもん)さん(32)と同期の桂紋四郎さん(32)だ。

「配信映え」の新演出

桂華紋さんは「仔猫」、桂紋四郎さんは「子ほめ」で斬新な映し方に挑戦しました。後半は、その演出や広がりを見せつつあるZoomを活用した芸人の取り組みについて紹介しています。

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 ユーチューブで4月25日に…

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