妻はボクサー、夫はピアニスト 異色夫婦の意外な共通点

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伊藤雅哉
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スポーツ好奇心

 京都に珍しい組み合わせの夫婦がいる。妻は世界挑戦経験もある女子プロボクサーの小沢瑶生(たまお)(34=フュチュールジム)。夫の岸本良平さん(36)はピアニストだ。結婚して間もなく2年。まったく畑違いの2人だが、互いに相乗効果を口にする。拳闘と音楽。そこに共通点はあるのか――。

 撮影にあたり、2人が出会った場所で「勝負服」に着替えてもらった。「とにかく今年は3度目の世界戦をやりたい」と意気込む妻に、夫は「今が一番強いと思う」とほほえんだ。

 京都・祇園の会員制サパークラブ「セレクテッド ラポー」。半世紀近い歴史のある店で、生演奏を聴きながら料理やお酒が楽しめる。小沢は競技と並行し、長くホールスタッフとして働いている。2013年8月、この店で良平さんがピアノの演奏を始めた。

 小沢は長野県辰野町出身。バスケットに打ち込み、拓大時代にインカレ4強の実績がある。卒業後は海外留学を経て京都へ。ストレス解消目的で入ったのが、女子選手育成で知られるフュチュールジムだった。

 26歳でプロボクシングの世界へ。バスケット仕込みの足さばきと体力、打ち合いも辞さない強気が売り。その2年後、良平さんと出会った頃にはすでに頭角を現していた。

 2人ともしばらくは「仕事仲間」の関係だった。小沢は15年に東洋太平洋スーパーフライ級王者に輝き、17年には京都で世界初挑戦。良平さんも店の仲間と応援に駆けつけた。試合は両者とも血みどろの打撃戦になり、小差の判定で惜敗。後の夫は「お互いに顔はボッコボコ。なんちゅうことをやっとるんだ……と思いました」。良平さんもCDを出したり、国内外のイベントで演奏したり。それぞれの道で活躍した。

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 その後、2人の距離は急速に…

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