関西に国会図書館? 驚きの密着、「企画展」できるまで

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生駒支局長・伊藤誠
【動画】国会図書館関西館の企画展 どうやってつくられる?=伊藤誠撮影
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 国立国会図書館といえば東京・永田町の東京本館がよく知られているが、実は京都府南部の精華町に関西館がある。所蔵資料は、東京の約2800万点に対して約1400万点。これを活用した年2回の企画展が面白い。資料の数々で一つのテーマをひもとき、まだ知らぬ世界への扉をすっと開いてくれる。

 筆者は19年5月から、奈良県の生駒支局に勤務している。それまでの約5年間は、京都府の学研都市支局(当時)で府南部地域を担当した。関西館で年2回開かれる企画展を取材するのが楽しみの一つだった。

 どんな風に企画展がつくられるのか知りたい。そう思っていたところ、昨秋、取材の許可を得た。一般の来館者が入れない書庫を訪ね、企画展ができるまで現場の職員に密着した。

テーマ案は「お金」「乗り物」「ネズミ」

 京奈和自動車道の精華学研インターチェンジを降りて、車で西へ数分。左手に見えるガラス張りの建物が関西館だ。

 地上4階、地下4階建て。地下1階は研究室や閲覧室、地下2~4階が書庫。地上1階に入り口と研修室があり、4階がカフェテリア。2、3階と地下1、2階に職員のいる事務室がある。

 2019年3~4月、事務室の各課から3人が20年2~3月の展示班に選ばれた。展示班の結成は、実に企画展の1年前だ。

 メンバーは総務課の西村佳樹(よしき)さん(31)。企画展を担当するのは2度目。ほかは今回が初めてという図書館協力課の戸鹿野(とがの)陽子さん(27)、文献提供課の野上恭代(やすよ)さん(24)。野上さんは18年に入館したばかり。

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