窓ガラスで発電、京大研究チームが挑戦 厄介者を活用 

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後藤一也
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 太陽から届く光を余すところなく使いたい――。京大化学研究所の坂本雅典准教授らの研究チームは、太陽光の半分を占めるのに、産業にほとんど利用されていない赤外線を使って発電する材料の開発に挑んでいる。目指すのは、日光を浴びたビルのガラスを使う「窓ガラス発電」だ。

 太陽光は波長の長さによって紫外線可視光、赤外線に大別される。太陽光の半分は可視光で、植物の光合成太陽光発電などに使われる。一方、赤外線は太陽光の46%を占めるにもかかわらず、エネルギーが低いため発電には向かないと考えられてきた。それどころか、ヒートアイランド現象の一因として、厄介者扱いされている。

 研究チームは2016年ごろに研究をスタートさせた。注目するのはナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)の金属の小さな粒子だ。種類や形状によって、吸収する光の波長が変わる。赤外線を吸収させるようにしたナノ粒子を使って電子を取り出し、発電したり、燃料となる水素をつくったりするのを狙う。

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