不可解な高検検事長の定年延長 詳細語らぬ首相や法相

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今野忍 岡村夏樹 二階堂友紀
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 政府が東京高検の黒川弘務検事長(62)の定年延長を決めたことが波紋を広げている。安倍政権との距離が近いとされる黒川氏が、検察トップの検事総長に就く可能性が残ったことになる。政治的中立性を厳しく求められるポストだけに、野党からは政権の人事のあり方を危ぶむ声が上がっている。

 官房長や事務次官を務めた黒川氏は、捜査畑よりも法務官僚としてのキャリアが長い。安倍政権では共謀罪など重要法案にも携わり、「菅(義偉)官房長官と近い」(官邸関係者)と言われる。誕生日は2月8日。検察庁法では検察官の定年は63歳と定められていることから、7日に定年退官する予定だった。

 政府は1月31日、国家公務員法の規定を使い、黒川氏の定年を8月7日まで延長することを閣議決定した。検察官の定年延長は過去に例がない。稲田伸夫検事総長が慣例通り、約2年の任期で8月に勇退すれば、黒川氏が後任に就くことが可能となった。

 異例の人事は3日の衆院予算委員会でも取り上げられた。「誕生日の1週間前に駆け込みで定年延長しなければならないほどの緊急性、必要性は何か」。国民民主党の渡辺周氏はこう追及した。森雅子法相は延長の理由について「重大かつ複雑、困難な事件の捜査・公判に対応するため」などと答弁したが、詳細は語らなかった。

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■首相の答えは…

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