ドーピング問題引きずる重量挙げ 東京五輪で出場制限も

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遠田寛生 松本龍三郎
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 五輪競技として100年近い歴史を持つ重量挙げが、ドーピング問題の深い影を引きずったまま東京五輪を迎えることになる。相次ぐ違反を受け、国際重量挙げ連盟(IWF)は違反数に応じた出場制限を各国・地域に設け、東京五輪では20カ国近くに制限がかかる見通しだ。ここに来て新たな不正疑惑も報道されている。

 有力選手が抜き打ち検査を受けていない、金銭授受によって検査結果が不正に操作されている――。ドイツ公共放送ARDが、隠しカメラも駆使したという5日放映のドキュメンタリー番組は衝撃的だった。

 重量挙げは筋力が成績に直結しやすく、陸上と共にドーピング違反が多い競技だ。国際オリンピック委員会(IOC)が2008年北京、12年ロンドン大会を対象に疑わしい選手の検体を再検査したところ、陽性反応は計54件(昨年12月時点)。全競技中の最多で、全体(140件)の4割近くを占める。

 「ドーピング対策を強化しなければ五輪から除外」。IWFがIOCから通告されたのは17年だった。結果、東京大会の出場枠は特殊な形に。男女7階級が実施され、本来なら参加国は男女とも最大4人まで(各階級1人ずつ)派遣できるが、08年からの違反総数が10~19件の場合は最大でも男女2人ずつ、20件以上なら男女1人ずつという制限がかけられた。

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 これは「連帯責任」によって…

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