インフルワクチンの効果って? 接種後も感染するワケは
インフルエンザの流行期に入り、全国で患者が増えています。ところで、インフルエンザとそのワクチンについて、どこまでご存じですか。接種していてもインフルになるのはなぜ? そもそもなぜ毎年流行する? 意外と知らないことの多いインフルエンザとワクチンについて、専門家に聞きました。
ワクチンは感染を防げない?
「今シーズンは例年より症状が重ための印象がある。ただ、ワクチンを打っている子はそこまでの感じではない。まだ患者が増えると思うので今からでもワクチンを打って欲しい」。東京都足立区で小児科医院を開く和田紀之院長はこう呼びかける。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスが鼻や口から入ることで感染する。感染したウイルスが増えると発熱などの全身症状が出て発病するものだ。
ワクチンは、有精卵(鶏卵)に、接種して増やしたウイルスの感染力を失わせて作られている。狙いは、免疫の力で発病を抑えることや、発病しても重症化するのを防ぐことだ。インフルエンザへの感染自体を予防してくれるわけではないが、他者に感染させない効果も期待できる。
では、実際にワクチンはどの程度「効く」のか。明確な定義はないが、専門家の間では、有効率50%を一つの目安に、これより上だと「高い」、下だと「低い」とみられている。
ただ、ワクチンの有効率は「…
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- 服部尚(はっとり・ひさし)朝日新聞記者
- 福井支局をふり出しに、東京や大阪の科学医療部で長く勤務。原発、エネルギー、環境、医療、医学分野を担当。東日本大震災時は科学医療部デスク。編集委員を経て現職。