接近する車、突然の銃撃 中村医師はなぜ狙われたのか

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バンコク=乗京真知 貝瀬秋彦
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 アフガニスタンで30年以上にわたって人道支援を続けてきたNGO「ペシャワール会」の現地代表、中村哲医師(73)が4日朝、道半ばで命を奪われた。現場では何が起きたのか。アフガニスタンの人々から深く感謝されている中村さんが、なぜ狙われたのか。

 朝日新聞の電話取材に応じた現地の住民によると、銃撃が起きたのは4日午前8時ごろだった。中村さんが乗る四輪駆動車を待ち伏せするように、不審な車が通りに停車。車から降りてきた男が中村さんの四駆が差し掛かるタイミングで、タイヤに向けて発砲した。その後、男は中村さんに向けて銃を撃ち、車に戻って逃走した。銃撃を受けた四駆のドアからは大量の血が流れ出していたという。

 「ペシャワール会」によると、中村さんは当時、運転手やスタッフとともに車で灌漑(かんがい)事業を進める場所に向かっていた。銃撃により、運転手やスタッフら5人も犠牲になったという。

 アフガニスタンの武装勢力は、外国人や要人を襲撃する場合、標的にする人物の行動をつかみやすい出勤や帰宅時を狙うことが多い。同会によると、中村さんは通常、午前7~8時に宿舎を出発することにしていたといい、襲撃犯が尾行によって中村さんの行動パターンを事前に把握していた可能性がある。

 事件を受けて会見した同会は「セキュリティーには気を配っていた。一番危ないのは移動中だと認識しており、同じ道を通らぬようにして、警備員を付けていた」と説明した。

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