沈めないで、故郷の日常 イラストで見つめるダム計画
小川直樹 横山輝
長崎県と佐世保市が建設を進める石木ダムの水没予定地、同県川棚町川原(こうばる)地区が18日、土地明け渡し期限を迎える。ここで両親と暮らす石丸穂澄(ほずみ)さん(37)は、得意のイラストで川原の出来事を発信している。心身の不調でうまく筆を握れない日もあるが、「ふるさとを守ろう」と共感の輪を広げる営みを続けている。
サワガニやウナギのすむ石木川沿いの自然豊かな里山で育った。絵を描くのが好きで、美大進学をめざしたが、失敗。心に変調をきたし、働くこともままならなくなった。生まれてからほとんどの時間を過ごすふるさとの自然の中で、ゆっくりと絵を描いて自分と向き合ってきた。
そんな静かな暮らしは、2010年3月末に始まったダム建設に必要な県道の付け替え工事で一変した。
建設計画浮上から約半世紀…
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