「あの男で4年も耐えられぬ」 米を分断、党も変えた

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ダウニングタウン=香取啓介
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分極社会

 「二つのアメリカがある」と言われるほど、米国は分断が広がる。共和党民主党の2大政党の競り合いも加わり、二極化する一方だ。地域、人種、世代などの違いによって分極化が進む社会の行く先はどこか。2020年の大統領選を前に、記者が歩いた。

 ペンシルベニア州ダウニングタウンの住宅地。1日、日が暮れるとマーガレット・リーフさん(51)の家に次々と人が集まってきた。「近所にビラを配るときに、読んでもらうにはどうしたらいい?」「玄関よりもガレージのドアに置いた方が手にとってもらえるよ」。ワインと軽食を手に、議論は尽きない。

 集まった多くは、中流階級で大卒の白人女性。毎週、カフェや自宅でこうした会合を開き、地元の移民収容施設やパイプラインの建設計画などについて話し合う。ただ、話題が行き着くのはいつも、「あの男」だ。

 「トランプ大統領は、この国が嫌いなら出て行けと言う。何を言っているの。ここは私の国だ」。リーフさんは語る。

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 ダウニングタウンを含むチェスター郡は、大都市・フィラデルフィアの郊外。富裕層が多く、周辺の地域と合わせて、長らく共和党の牙城(がじょう)だった。「見た目や出自に関係なく他者や弱者に寛容で、財政規律を守る」。子どもを支援するNPOの会計担当だったリーフさんも、そんな共和党の理念が合い、長年の党員だった。

 だが、トランプ氏はリーフさ…

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