「iPhone専用工場」不振で危機に 泥沼の公的支援

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小出大貴 高橋諒子 笹井継夫
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 石川県白山市の工業団地に立つジャパンディスプレイ(JDI)の白山工場。米アップルスマートフォンiPhone(アイフォーン)」向け液晶パネルを生産し、アップルの「専用工場」とも言われたが、需要が落ち込んで稼働率が低迷。今年7月に稼働開始からわずか2年半で操業を止めた。約400人の従業員は工場の維持作業をしたり、国内の別の工場に応援に行ったりしている。

 7月上旬の平日。駐車場に車はまばらで、工場から出てきた男性従業員は「在庫を作るような状況だった。停止は仕方ない」と話した。

 「2016年秋発売のiPhoneの新モデル向けの工場がほしい」。アップルの幹部が東京・西新橋のJDI本社を訪れ、取締役の有賀修二に新工場建設を働きかけたのは14年末。直前に発売された「iPhone6」が世界的なヒットを記録し、アップルはiPhone増産に向けたパネルの調達先を探していた。白山工場の建設決定はそのわずか3カ月後だった。

破綻の危機を米アップルの支援で乗り切ったJDI。しかし危機的な状況に陥った原因をさかのぼると、そのアップルのスマートフォン「iPhone」の販売不振による液晶の生産計画の狂いがありました。連載の2回目では、JDIへの支援を巡る官民の様々な思惑を探っていきます。

「むちゃなお願い」

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 新モデルの発売まであと1年…

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