死亡したバグダディ容疑者、敵だらけの危険地帯になぜ?

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イスタンブール=其山史晃 ドバイ=高野裕介 ワシントン=渡辺丘
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 過激派組織「イスラム国」(IS)の最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者が、米軍の急襲で死亡した。トランプ米大統領が27日、明らかにした。隠れていたのは、トルコ国境に近いシリアの小さな村。敵対勢力に囲まれた「危険地帯」だった。

 バグダディ容疑者が潜伏していたのはシリア北西部イドリブ県のバリシャ近郊。地元住民によると、周辺は山がちな農業地帯で、トルコ国境まで約5キロしか離れていない。近くには内戦の戦闘から逃れてきた避難民も多くいるという。

 シリア内戦はアサド政権が優位にあり、同県一帯は、反体制派の最後の大規模拠点となっている。政権軍や後ろ盾のロシアが同県周辺を包囲し、4月末から猛攻撃している。さらに、バリシャ周辺は、「シャーム解放委員会」(旧ヌスラ戦線)などの過激派組織が支配。ISはヌスラ戦線と活動方針をめぐって争ってきており、関係は悪い。

 同容疑者は、ISの戦闘員や協力者が多く残るイラク、シリア国境の砂漠地帯にいると思われてきた。なぜ危険なイドリブ県に移ったのか。

 ISに詳しい中東調査会の高…

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