ガスがポコポコ、相良油田 若者ら「漫画と同じ場所だ」

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矢吹孝文
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「Dr.STONE(ドクターストーン)」原作者に聞く、相良油田

 日本の太平洋側で唯一、石油を産出した静岡県牧之原市の「相良(さがら)油田」に注目が集まっている。60年以上前に採掘を終えた油田だが、科学をテーマにした人気マンガに実名で登場し、若い世代の遺構見学が増えているという。県内でも知らない人が多い施設が登場するのはなぜなのか。原作者に聞いてみた。

 今年3月、インターネットで知り合ったという20~30代の女性3人組が同市大江の「現場」を訪れた。1872年に相良油田が発見された場所。広大な茶畑の近くにある薄暗い谷で、ほのかに油の臭いが漂う。黒く湿った地面からはポコポコとガスが湧き出ている。

 「マンガと全く同じ場所だ!」と興奮してシャッターを切ったのは沖縄県八重瀬町から来た仲座(なかざ)瑞葉(みずは)さん(24)。3人は採掘現場の跡地や復元された作業小屋を見学し、「作品と近い角度で撮ろう」と盛り上がった。案内した「相良油田資料館」管理人の山崎治さん(66)は「普段の見学者は中高年が多い。これまでにない客で驚いた」と話す。

 仲座さんら3人は週刊少年ジャンプで連載中の「Dr.STONE(ドクターストーン)」の大ファンだ。全人類が石化して約3700年後、人類の痕跡がほぼなくなった日本で石化から目覚めた科学好きの少年が、知識を駆使して電気や抗菌薬、火薬などを作り、文明を再建していくというSFの冒険物語。2017年3月に連載が始まり、今年7月からアニメも放映中だ。

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 作中で相良油田は、大型船を…

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