影絵のようなデザイン、なにを暗示? 刀に宿る極小の美

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編集委員・中村俊介
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 実戦的な武器である刀にも、日本人は細密な美を宿らせた。大阪歴史博物館大阪市)は「決定版 刀装具鑑賞入門」展を開催中(12月1日まで)。小さな刀の部品が、技巧の限りを尽くして極小の美を競い合う。

 刀装具とは、刀の柄(つか)や鞘(さや)にともなう金具のセット。手を刃から守る鐔(つば)などをいう。それらを彩る絢爛(けんらん)な金象眼、影絵や切り絵さながらに鮮やかなコントラストを見せる透かし、モダンな幾何学模様――。

 虫眼鏡がなければ気づかないほどの微小な魚々子(ななこ)という技法を施したものもあり、玄人好みの工夫やデザインが、これでもかとちりばめられている。

 モチーフも千差万別だ。定番の花鳥風月や縁起物から、日本列島の地図やお経の文言など奇抜なものもあって、日本人の豊かな感性と遊び心を映し出す。

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