試験中のトイレは1割減点 滋賀の県立高、指摘受け廃止

阿部治樹
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 滋賀県立八幡工業高校(近江八幡市)が10年以上前から、定期試験中にトイレで教室から退室した生徒の点数を1割減らしていたことが、同校への取材でわかった。外部からの指摘を受け、8日に始まった中間試験から廃止したという。

 同校によると、こうした慣習が続いてきた経緯は不明だが、試験中に退室する生徒が目立ったことが一因にあるとみられている。教師は試験前、退室は減点になると口頭で伝え、そのうえで退室する生徒に減点することを確認していた。トイレには教師が付き添っていたという。

 昨年度は9人、今年度は9月までに1人が減点の対象になったという。一方で体調不良の生徒は減点にはしなかった。成績は総合的に判断しているため、不利益を受けた生徒はいないとしている。

 中間試験が終わる11日に全校集会を開いて生徒たちに謝罪し、保護者にも経緯などを伝えるとしている。

 中辻仁史校長は「我慢を強いる不適切な規則で、人権上問題があった」と話した。

 県教育委員会高校教育課の担当者は「生徒の人権やプライバシーへの配慮を欠いた規則だった」としている。県教委は10日、県内の各高校に不適切な規則がないか点検するよう指導した。(阿部治樹)

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