英政府からファーウェイへ 幹部が語る内部事情
中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)でサイバーセキュリティーとプライバシー保護の責任者であるジョン・サフォーク氏が、ロンドンで朝日新聞の取材に応じた。英国政府の情報安全責任者(CIO)などを経て8年前に入社したサフォーク氏が語る華為とは――。(インタビュー・構成 吉岡桂子)
ジョン・サフォーク氏 ファーウェイ上級副社長兼グローバルサイバーセキュリティーとプライバシー保護責任者。英国小売り金融サービス大手で企業買収などに関わった後英国政府で刑事司法改革プログラムの事務局長、最高情報責任者として情報通信技術(ICT)などの戦略作りを担当。2011年に華為技術に移る。英ウォルバーハンプトン大学経営学修士(MBA)。
米国による排除、大丈夫?
――米国政府は安全保障上の懸念から、華為への米国製品の一部に禁輸措置をとっています。他国に対しても次世代通信規格5G市場から華為の排除を求めています。
「我々はアジアから欧州まで世界の通信事業者と50を超える5Gの契約をしており、さらに増えつつあります。ある東南アジアの政府高官がこう言いました。『うちの通信事業者はすべて華為を選びたがっているが、政府としては認められない。確実性を担保するために御社を含めて複数社を採用します』と。5Gのネットワークの供給を1社に独占させようと考えている国はありません。何かあったときにすべてのネットワークがダウンしてしまう恐れがあるし、競争も必要だと考えるからです」
「英国の通信事業者とは5Gでも契約していますし、イタリアもその方向です。欧州連合(EU)は各国の判断に委ね、フランス、ドイツは我々を排除しないと言っています」
「競争力は確かにある」
――英国は華為には中核の技…
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