脱アダルトで「禁じ手」解放 AV監督なぜ芸術祭に作品

有料記事トリエンナーレを考える

江向彩也夏
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 愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、愛知県春日井市出身のAV監督カンパニー松尾さん(54)が新作「A Day in the Aichi」を映像プログラムに出品します。今回は「アダルト」な要素は一切なし。一方で、地元の愛知を「検証」するため、自らが「禁じ手」としてきた手法を使ったのだそうです。いったいなぜ?じっくり聞いてみました。

上京のきっかけは、松田聖子の収録

 2歳の時に愛知県春日井市に移り、高校まで暮らしていました。上京のきっかけは県立春日井西高2年のとき、中京テレビの高校生インタビュアーの企画に応募したこと。松田聖子に会えると聞いて、はがきを出し、最終候補の10人に残りましたが、落選。それでも、収録に呼んでくれて、初めて「テレビの裏側」へ。テレビをやってみたい気持ちが大きくなり、親を説得して東京の専門学校に行きました。

 卒業後、番組制作会社に入りました。英国のコメディー集団「モンティ・パイソン」のビデオ権を持ち、劇場版も公開した会社。僕は音楽が好きで、音楽番組をやっていました。ただ、就職して1年で、会社が倒産。同級生3人は別の会社へ行きましたが、僕は拾われず、ラーメン屋でバイトしていました。すると、前の会社の経理の人が声をかけてくれて、設立間もないアダルトビデオ(AV)メーカー「V&Rプランニング」の4人目の社員になりました。

礼儀正しい社長が、鬼のように変わった

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 テレビもAVも、撮影の段取…

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