群馬)八ツ場ダムの地元 南北問題克服への道

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丹野宗丈
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 来春の完成を目前に控えた国直轄事業八ツ場(やんば)ダム。地元の群馬県長野原町はダム受け入れの代わりに、ダム湖を生かした観光に地域再生の活路を見いだすが、町内でもダムとの距離感で温度差がある。町全体の魅力を高めようと、官民で模索が続いている。

 長靴を逆さにしたような形の長野原町。北部は東西に吾妻川が流れ、谷あいに古い温泉街や集落が連なる。南部は浅間山北麓(ほくろく)に高原の開拓地が広がる。1889(明治22)年に町が誕生してから町域は変わっていないが、町の南北は景観だけでなく気質も異なるとされる。

 吾妻川をせき止める八ツ場ダム計画が1952(昭和27)年に浮上すると、北部はダム問題が半世紀を超す懸案に。長期化を背景に住民が転出し、かつて20軒ほどの旅館があった川原湯地区で今も営業している旅館は5軒だけになった。ただ、関越道草津温泉を結ぶメインルート上にあり、林地区の道の駅「八ツ場ふるさと館」には昨年約44万7千人が訪れた。

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 他方、南部の北軽井沢地区や…

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