女児の青あざ、児相「市の報告受けず」 鹿児島4歳死亡
鹿児島県出水(いずみ)市で4歳の女児が同居する母親の交際相手の男に殴られた事件で、同市が女児に複数の青あざがあることを確認したことなどについて、児童相談所が報告を受けていなかったことがわかった。児相は4月に女児がネグレクト(育児放棄)の状態と認定し、関係機関での見守りの対象にしていた。
この事件では、出水市の建設作業員、日渡駿容疑者(21)が8月27日夜、大塚璃愛來(りあら)ちゃん(4)の頭部を殴ったとして暴行容疑で逮捕された。璃愛來ちゃんは同28日に死亡した。死因は水死の疑いがある。日渡容疑者は璃愛來ちゃんの母親と交際し、3人で生活していた。
同市によると、7月22日に璃愛來ちゃんは自宅のテーブルで頭部を打ったとして嘔吐(おうと)の症状を訴え、救急外来を受診。8月5日には別の病院で顔などに複数の青あざが確認されていた。保健師らが複数回自宅を訪ね、暴行事件前日の同26日には母親と璃愛來ちゃんに面談。顔や頭部といった外見を見て虐待を疑わせる異常はないと判断していた。
こうした情報について、県の中央児童相談所の佐多士郎所長らは1日夜、記者団に「公式な報告は受けていない。事務レベルで受けていたのかは確認の必要があるが、手元の資料にはない。(報告が)あれば調査していた」と説明している。
璃愛來ちゃんは3月下旬~4月上旬にかけ、当時住んでいた薩摩川内市内で夜間に1人でいたのを薩摩川内署が保護。児相は4月、ネグレクト事案と認定し、見守り対象にしていた。(外尾誠、小瀬康太郎)
■基本ルールが守られず…
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