女性2人がうつ病で労災認定 過剰ノルマやセクハラ受け

内藤尚志
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 塗装会社ユーコーコミュニティー(神奈川県厚木市)の新入社員だった女性2人が、過剰なノルマによる長時間労働セクハラなどでうつ病を患ったとして、相次いで労災認定された。代理人の弁護士らが21日、記者会見して明らかにした。

 同社は住宅の外壁などの塗装を手がけ、ウェブサイトでは同社の女性職人の活躍ぶりがマスコミで報道されたことをアピールしている。弁護士によると、2人は2017年4月に入社。1日200軒の住宅への飛び込み営業などのノルマがあって長時間労働が続いたうえに、上司から体を触られるセクハラを受けるなどしたという。

 2人とも同年11月ごろにうつ病になり、出社できなくなって18年春に解雇された。同年6月、それぞれ労働基準監督署に労災を申請。今年に入り、1人は平塚労基署に1月11日付で、もう1人は厚木労基署に7月3日付で労災認定されたという。平塚労基署は、月85時間29分の時間外労働や、同僚のいる前で会長から「お前のことを嫌いになるよ」などと責められるといった嫌がらせを受けたことを認定したという。

 会見には2人も同席し、「女性が活躍する会社と信じて入ったのに、上層部が女性蔑視の価値観だった。セクハラを会長に相談したら、『神様が与えた試練だ』と対処されなかった」「ノルマがとてもこなせる金額や量ではなかった。愚痴は処罰の対象になるといわれ、同期との飲み会は禁止され、上司にも相談できなかった」などと訴えた。

 同社は「元従業員の方が精神疾患に罹患(りかん)されたことにつきましては、大変遺憾に存じます。労災認定につきましては、労基署の調査結果などの内容を確認できておりませんので、コメントを差し控えさせていただきます」としている。内藤尚志

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