35人が亡くなった京都アニメーションの放火殺人事件。犠牲者の一人、大村勇貴(ゆうき)さん(23)はこの春、常葉大学造形学部(静岡市)のデジタル表現デザインコースを卒業し、京都アニメーションに入った。在学中、いつもクロッキー帳を持ち歩き、思いついたアイデアを絵や文章にして書き留めていた。「絵を描く仕事がしたい」。周囲にはそう語っていたという。
学部長の安武伸朗さんによると、コースのリーダー的存在。「面白いことをしましょう」と、教員によく声をかけていた。
全国のさまざまな公募展に挑み、腕を磨いた。
子どもたちのリレーを描いたイラストは2016年の「二科展」で奨励賞に。課題図書の表紙を描く「日本ブックデザイン賞」では2度入選。なかでも「ごんぎつね」(新美南吉)の表紙は、審査員の一人が最も印象に残った作品に挙げ、「作者の豊かなメッセージが込められた秀作」と評価した。
卒業制作は絵巻物風の作品「…
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