ドーピング疑惑の競泳王者に抗議 表彰台や握手を拒否

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清水寿之
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 韓国・光州で行われている水泳世界選手権の競泳男子自由形で二つの金メダルを獲得した中国の孫楊。大会前に、昨年の抜き打ち検査で血液サンプルを壊すなどしていたと報じられた。自由形のメダリストで、表彰台に上がらなかったり、孫楊との写真撮影を拒否したりして抗議の意思を示す選手が相次いでいる。

 歓声が、どよめきに変わった。

 日本の松元克央(かつひろ)(セントラルスポーツ)が銀メダルに輝いた23日の男子200メートル自由形の表彰式。表彰台の中央で笑顔を見せる孫楊を尻目に、3位タイだったダンカン・スコット(英)は表彰台で、孫楊と一緒に記念撮影することを拒否した。式典後には孫楊がスコットに近づき、まくしたてる一幕もあった。

 異様な光景はこれだけではない。21日にあった男子400メートル自由形の表彰式でも、銀メダルに輝いたマック・ホートン(豪)が表彰台に上がらず、孫楊とは握手も交わさなかった。国際水泳連盟(FINA)は「その場にふさわしくない行為」として3人にそれぞれ警告文を送った。

 今月14日、豪州紙「デイリー・テレグラフ」が、FINAのドーピングパネルがまとめた孫楊に関する非公開の報告書をスクープ。昨年9月の抜き打ち検査時に、自身の血液サンプルが入った容器を壊したという衝撃の内容だった。

 それでもFINAは「おとがめなし」として、孫楊の今大会への出場を認めた。スコットは海外メディアにこう語っている。「孫楊が水泳をリスペクトしていないのに、どうして僕が彼をリスペクトしなければいけないのか」。一方、孫楊は23日、中国国営新華社通信に「今日の結果は対戦相手からの尊敬に値するはずだ」と話した。

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 世界反ドーピング機構(WA…

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