先輩たちは格好いい 菅田将暉が映画で伝えたいこと

有料記事あの人が語った戦争

文・小峰健二 写真・篠田英美
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 今年も終戦記念日がやってくる。俳優・菅田将暉は、危機感を持っている。その理由の一つは、戦時下の恐怖を実体験で伝える世代が少なくなっていることだという。「僕が小さい頃は、夏休み中に戦争体験者の話を聞く機会がありました。でも、あと10年、20年もすれば、もうそんな方に会えないかもしれないわけです」。だからこそ、「僕というツールを通して、事実を知ってもらうことが今回の役目なのかなと思っていました」

 26日公開の「アルキメデスの大戦」に出演し、軍の上官らの暴走に歯止めをかけようとする主人公の櫂直(かいただし)を演じたのは、そんな理由からだ。戦争に突き進む軍部の愚かさをあぶり出すストーリーで、この夏注目を集める超大作映画だ。

 人気漫画家・三田紀房の同名漫画が原作。舞台は1930年代で、100年に一人と言われる天才数学者である櫂が、対米開戦を視野に入れて軍部によって進められる戦艦大和の建造を、数学によって阻止しようとするフィクションだ。予算を度外視した建造計画の情報を秘匿する推進派と、櫂の知恵で計画の穴を見つけたい反対派――。その攻防や権力闘争を描いていく。

 櫂は巻き尺を携帯する計測マニアで、何でも数字にしないといられない変わり者。そこに魅力を感じた。

 「分からないものがあれば…

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