高畑勲の「謎」と「解」(小原篤のアニマゲ丼)

有料記事

[PR]

 「高畑勲監督の業績は、アニメ史にとどまらず戦後文化史の中で大きな役割を果たした。手塚治虫さんの展覧会の次に取り上げる人物として、高畑さんほどふさわしい人はいない」

 これは、東京国立近代美術館で10月6日まで開催中の「高畑勲展 日本のアニメーションに遺(のこ)したもの」を企画・構成した鈴木勝雄主任研究員に取材でうかがった話。同館は手塚さんが死去した翌年の1990年に「手塚治虫展」を開催し、国立美術館初のマンガ展として話題を集めました(弊社も主催に名を連ねております)。サブカルチャーの大規模展はそれ以来。くしくも福岡市美術館を皮切りに「富野由悠季の世界」が開催中(兵庫・島根・青森・富山・静岡を巡回)で、「絵を描かない」タイプのアニメ監督2大巨頭がそろい踏み。公立美術館が「目に見えない」演出術をどう展示するのか、両展の紹介も兼ねて大きな記事にしました。

 「富野由悠季の世界」については本欄でも既にたっぷり書いたので、今回は「高畑勲展」のお話。まずは鈴木主任研究員に企画の発端から聞きました。

 「2016年か17年あたり…

この記事は有料記事です。残り6654文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら