桜も桃も危機、外来カミキリ拡大 「ギリギリだ」と訴え
幼虫がサクラやモモなどの生木を食い荒らして枯らしてしまうクビアカツヤカミキリが、分布を広げつつある。すでに7都府県で被害が確認され、地域内の分布も拡大中だ。成虫は8月にかけて、木に卵を産み付ける。自治体は神経をとがらせ、市民に目撃情報などの提供を呼びかけている。
クビアカツヤカミキリは中国や朝鮮半島などが原産で体長2・5~4センチ。光沢のある黒い体に赤い胸部が特徴だ。木の中で羽化した成虫は、今の時期に木から出てくる。メスは数百個の卵を木に産み付ける。
国内では2012年に愛知県西部で初めて被害が確認された。埼玉、大阪、群馬、東京、徳島、栃木の7都府県に拡大。18年に特定外来生物に指定された。
愛知県では被害を受けた木を伐採したり薬を使ったりして、ここ数年、生息地の広がりはなかった。だが、今年6月下旬、新たに名古屋市内で見つかった。
大阪府では昨年は3市町村、今年は2市で被害が見つかるなど、11市町村に拡大している。府立環境農林水産総合研究所の幸田良介主任研究員は「対策をすれば被害を最小限に抑えられるギリギリのところだ」と早期対策を訴える。
被害は確認されていないが、成虫が見つかっているところもある。和歌山県では17年に発見。奈良県では今年6月に見つかり、県が被害を調べている。
こうした中、早期発見で広が…
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