木造化の名古屋城天守、完成延期へ 解体許可得られず

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堀川勝元 井上昇
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 名古屋市は21日、名古屋城木造天守の完成をこれまでの目標だった2022年末から延期する方向で、関係者との協議に入ることを決めた。この日開かれた国の文化審議会で、コンクリート製現天守の解体の許可を得られず、新たな調査も必要となったためだ。

 名古屋市は4月に現天守解体を申請していたが、文化審議会は引き続き専門調査会で可否を議論することにし、21日の議題には上らなかった。このため、市は7月に始める予定だった解体の準備ができなくなったという。さらに「天守台周辺の考古学調査が不十分」との指摘を受け、文化庁の許可を得た上でさらに時間をかけて調査する必要が出てきた。市幹部は「文化庁から言われた以上は調査をやらざるを得ない」とし、22年末完成についても「見直さざるを得ない」との認識を示した。

 河村たかし市長は21日夕に報道陣の取材に応じ、「本日の文化審議会で答申がいただけなかった以上、解体工事の着手にさらなる遅れが生じる。この事業は史実に忠実な木造天守を復元することに大きな意義があり、市民との約束でもある。その目的を達成するために最善の道を選択していきたい」と述べた。

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 名古屋城木造天守の22年末…

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