中国、なぜ北朝鮮を見捨てない?「血の同盟」が続く意味
高田正幸
中国の習近平(シーチンピン)国家主席が20日、国家主席としては初めて北朝鮮を訪問しました。最近、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は頻繁に中国を訪れています。両国の絆は「血の同盟」とも言われ、実際に中国は北朝鮮の後ろ盾となってきましたが、どんな特別な関係があるのでしょうか。北朝鮮に近い中国・瀋陽や北京で両国関係についても取材してきた朝日新聞の古谷浩一論説委員(国際社説担当)に話を聞きました。
――中国と北朝鮮の関係は「血の同盟」と言われます。どうして「血」なんでしょうか。
話は1950年に始まった朝鮮戦争にさかのぼります。そもそもは北朝鮮が韓国軍や米軍を主力とする国連軍と戦っていた戦争ですが、戦況は徐々に北朝鮮に不利になっていきます。そんなピンチを迎えたとき、中国軍が義勇軍の形で参戦して北朝鮮を助けました。
中国軍には多くの犠牲者が出ましたが、その後、戦争は休戦となり、北朝鮮は領土を保つことができました。中朝関係はまさしく、中国人が血を流してまでして助けた友好関係にある、というのが彼らの思いなのです。
――なぜ中国は北朝鮮を助けたのでしょう。
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その疑問は当時の中国人の間…