G20エネ環境、気候変動の合意は新規性なし 米に配慮

有料記事G20大阪サミット

桑原紀彦 伊藤弘毅 松尾一郎 桜井林太郎
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 長野県軽井沢町で開かれていた主要20カ国・地域(G20)エネルギー・環境関係閣僚会合は2日目の16日、海洋プラスチックごみを減らす各国の自主的な取り組みを定期的に報告、共有する国際的な枠組みの創設などを含む共同声明を採択して閉幕した。もう一つの主要テーマだった気候変動では、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」をめぐる米国とほかの国・地域の対立は解けず、合意を優先した結果、新規性に欠けるものとなった。

 合意した枠組みは、各国がそれぞれプラごみを減らしたり、リサイクルしたり、海洋プラを回収したりする自主的な取り組みについて定期的に報告し、共有するというもの。流出している海洋プラの現状や影響を測定・監視する技術開発も後押しする。

 日本がG20の議長国である今年11月末までの期間に1回目の会合を開き、情報交換するという。原田義昭環境相は閉幕後の記者会見で、「先進国と途上国新興国との間で全体のルールが作れたことはよかった」と語った。

 気候変動について共同声明は、パリ協定に参加している国は、合意内容を全面的に実行することを再確認する、との表現にとどまった。パリ協定離脱を表明している米国の合意を取り付けるために配慮したものだ。

 エネルギー分野では、会議直前の13日に中東ホルムズ海峡で発生した日本企業の運航するタンカーへの攻撃を念頭に「最近のエネルギー安全保障に関する懸念」が高まっているとし、エネルギー安保の重要性を認識することで一致した。

 原子力分野では、原発の廃炉

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