癒えぬ悲しみ・自責の念…ブロック塀倒壊、元校長手記

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 大阪北部地震でブロック塀が倒壊し、小学4年生の女児が犠牲になった大阪府高槻市立寿栄小学校の当時の校長(60)が朝日新聞に手記を寄せた。癒えない悲しみや自責の念をつづり、安全と安心を取り戻すために学校と地域が一体で取り組んだと振り返り、「二度と繰り返さない覚悟で子どもを守りたい」と決意を新たにしている。

 あの日から1年が過ました。今も思い出さない日はありません。

 突然の地震。登校してきた児童を運動場に避難させているとき、事故の知らせが届きました。助かってほしい。そう祈った願いはかなわず、現実を受け入れることは容易ではありませんでした。保護者の気持ちを思うと胸が張り裂けそうでした。大切な、大切な児童の命を失った悲しみや自責の念は今も変わりません。

 当時、事故への対応や余震の不安など平静を取り戻すのは困難な状況でした。それでも、落ち着いた学校生活を取り戻すため、準備しなければなりませんでした。

 地震後、教職員が校内を点検し、危険と思われる箇所は立ち入りを禁止し、教室は倒れやすい物はないか再確認しました。

 事故前も、毎月、校内の安全を点検し、学校で修繕できない場合は教育委員会に依頼していました。プールについては水の事故につながらないことを重視していました。しかし、倒壊したプール脇のブロック塀については認識が不十分だったと言わざるを得ません。

 最も優先したのは児童の心の…

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