山梨)桜桃忌を前に、太宰のユーモアに触れる

有料記事

平畑玄洋
[PR]

 今年は太宰治の生誕から110年。桜桃忌の19日を前に、太宰の名短編「富嶽(ふがく)百景」の舞台となった山梨県富士河口湖町天下茶屋で太宰をしのぶ「第42回山梨桜桃忌」があり、梅雨空の下、県内外から約30人が参加した。

 山梨は太宰が妻の美知子と出会い、居を構えるなどゆかりが深い。天下茶屋には1938(昭和13)年9月13日から約2カ月間、滞在した。天下茶屋の2代目、外川満さん(75)が母のヤエ子さんから聞いた話では、太宰が文学の師と仰いだ作家の井伏鱒二が連れてきたという。

 「『長くて1週間しかいないが、この青年を泊めてくれ』という話だったのに、何が気に入ったのか2カ月も」と外川さん。冬に差し掛かると太宰は「御坂の寒気」にこらえきれず山をおり、甲府に移った。

 「寒くならなければずっと居…

この記事は有料記事です。残り326文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら