新EU首脳人事、加盟国間で意見に隔たり 難航は必至

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ブリュッセル=津阪直樹
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 欧州連合(EU)は28日、臨時の首脳会議を開き、今秋任期を迎える欧州委員長の後任について、欧州議会の最大会派「欧州人民党(EPP)」が推す候補を自動的には受け入れないことで一致した。EUの行政トップである委員長人事を巡っては、加盟国の首脳間でも意見に隔たりがあり、調整は難航しそうだ。

 前回2014年の欧州議会選から、議会の各会派は次期欧州委員長の「筆頭候補」を立てて、選挙に臨むことになった。首脳人事に民意がより反映されるようにし、市民の選挙への関心を取り戻そうと導入されたものだ。前回は最大会派の筆頭候補だったユンケル氏をEU首脳会議が欧州委員長の公認候補に選び、欧州議会が多数決で承認した。

 23~26日にあった今回の欧州議会選では、EPPが最大会派の座を維持した。だが、28日の会議後に記者会見したEU首脳会議のトゥスク常任議長(大統領に相当)は「将来の欧州委員長は、(加盟国首脳で構成する)理事会、欧州議会、双方から支持されなければならない」と指摘。選挙結果を尊重する考えは示したものの、最大会派の考えを、必ずしもそのまま理事会の提案とはしないとの認識を示した。

 また、会議では欧州委員長と同様、今秋に任期が切れるEU首脳会議の常任議長、欧州中央銀行(ECB)総裁、外交安全保障上級代表(外相に相当)の人選も議論。この4ポストを合わせて、候補者の出身の地域や国の規模、政党、男女比のバランスを取ることについて話し合ったという。トゥスク氏は「完璧なバランスは難しいが、最低でも女性を2人選びたい」としている。

 EPPの筆頭候補だったドイ…

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