毒チョウへの擬態率、上限があるのはなぜ?琉球大が立証

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杉浦奈実
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 擬態すると天敵に襲われにくくて得をするはずなのに、擬態する種のなかにしない個体がいるのはなぜか――。琉球大の研究チームは、毒をもつチョウに擬態するアゲハチョウに注目し、「擬態する個体が増えすぎると天敵に対する擬態の効果が失われるため、集団中の擬態できる個体の割合に上限がある」という古くからの仮説を立証した。毒をもつチョウが多い島で擬態率が高いことなどから裏付けた。

 擬態のうち、毒を持たない生物が有毒な生物に似せて天敵から身を守るものを「ベイツ型擬態」という。琉球列島に広く生息するシロオビアゲハは、後ろ羽に白い帯状の模様があるのが特徴。一部のメスは白い模様が少なく、赤い斑が目立つなど毒をもつベニモンアゲハに似る。毒チョウに擬態して天敵の鳥から逃れているが、なぜ、一部のメスしか擬態しないのか分かっていなかった。

 同大の鶴井香織特命助教らの研究チームは2014~17年、琉球列島の五つの島でシロオビアゲハのメスとベニモンアゲハ計945匹を観察し、島ごとにシロオビアゲハのメスが擬態している割合を調べた。

 その結果、ベニモンアゲハが…

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