腹心のFRB理事指名を断念 利下げ圧力のトランプ氏

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ワシントン=青山直篤
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 トランプ米大統領は2日、エコノミストのスティーブン・ムーア氏を連邦準備制度理事会(FRB)理事に指名することを断念した。ムーア氏はトランプ氏の腹心とされ、トランプ氏は理事指名でFRBへの介入を強めようとした。しかし、ムーア氏のFRBに対する攻撃的な姿勢や女性差別的な発言が問われ、議会承認の見通しが立たなくなった。

 トランプ氏は景気浮揚のため、FRBへの利下げ圧力を強めている。かねてFRBのパウエル議長の利上げ姿勢を批判。最近はFRB理事に自らの息のかかった人物を送り込もうとし、金融政策への露骨な政治介入の姿勢をみせていた。

 トランプ氏は2日のツイッターで「成長推進の偉大なエコノミストで、本当にすばらしいムーアが、FRBの手続きから撤退を決めた。これからも私と働いてもらうようお願いした」と投稿した。ムーア氏は直前まで米メディアで理事就任への意欲を示していたが、トランプ氏のツイート後「私の人格に対する容赦ない攻撃に耐えられなくなった」との声明を出した。

 ムーア氏は利下げを要求するトランプ氏の意のままになる候補とみられており、2月の朝日新聞の取材にも「FRBは利下げすべきだというのが私の信念だ」と述べていた。

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 トランプ氏はムーア氏の前に…

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