関学大が会見、日大に遺憾の意「選手へ直接の謝罪ない」
アメリカンフットボールの定期戦で、日大の選手が関学大の選手に悪質なタックルをして負傷させた問題で、関学大は17日午後、記者会見を行い、日大から受け取った回答書について見解を表明した。負傷した選手、保護者に対し、直接の謝罪申し入れがなかったことに遺憾の意を表明、経緯や事実関係の説明も不十分だとし、「現時点で私たちが求めている誠意ある回答とは言えない」とした。
兵庫県西宮市のキャンパスで、鳥内秀晃監督、小野宏ディレクターが会見した。日大側が回答書で、事実の把握や当該プレーに至った経緯については確認中のため24日をめどに回答する、としていることも明らかにした。再回答書からも誠意が感じられなかった場合は、来年以降の定期戦を行わない考えを改めて示した。
日大側は回答書で悪質なタックルについて、指導者はルールに基づく「厳しさ」を求めたが、選手の受け取り方に乖離(かいり)があったなどと説明。鳥内監督はこの点について、「乖離があったのなら、なぜ指導者は最初の危険なプレーが起きた時点で、その選手を呼んで『そういう意味ではない』と指導しなかったのか」と指摘した。
会見で公表された日大の回答書は、加藤直人部長と内田正人監督の連名。「意図的な乱暴行為を行うことなどを選手へ教えることは全くございません」、「(試合直後の監督の)コメントはもとより規則に違反してもよいと意図するものではなく、選手に『厳しさ』を求めていることから発したものでした。しかし、真意が伝わらず反則行為を容認する発言と受け取られかねないものであり、本意ではありませんため(略)弊部監督のコメントは撤回させていただきます」などと記されている。
関学大はこの回答に対し、「特に疑念を抱いているのは、なぜ昨年の甲子園ボウルなどではルールの範囲内でプレーしていた選手が、突然、このような意図的でかつ悪質な行為に及んだのかという点。(略)回答書が『問題の本質』とする、指導者による指導と選手の受け取り方との間の乖離について、真摯(しんし)な調査に基づいた具体的な説明を頂きたい」などとした。
問題が起きたのは、東京都内で6日にあった両校の51回目の定期戦。パスを投げ終えて無防備な状態にあった関学大のクオーターバック(QB)に対し、日大の守備選手が背後から激しくタックル。関学大の選手は全治3週間のけがを負った。この守備選手はさらに反則行為を続け、資格没収(退場)になった。
関学大は、日大の監督の試合後の言動などを問題視して10日付で抗議文を送り、守備選手、監督からの正式な見解を求めた。日大は15日にコーチが回答の文書を関学大に届けていた。
日大広報部によると学内の調査に対し、内田監督は「反則行為を指示したことはない」と話し、守備選手も「監督から指示されたことはない」と答えているという。関学大は回答に満足できない場合は、定期戦の来年以降の中止などを検討してきた。
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