(ナガサキノート)8歳で見た、きのこ雲「きれいだな」

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真野啓太・26歳
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川端勲さん(1937年生まれ)

 夏の高校野球の季節が近づくと、朝日新聞長崎総局の担当記者が毎年、長崎大会の見どころをうかがう「ご意見番」がいる。長崎市の川端勲(かわばたいさお)さん(79)。県野球審判協会長になり、もうすぐ20年。高校時代は海星でプレーし、20代のころから社会人野球や高校野球で審判をしてきた。私が一昨年の夏に取材したときには、辛口なコメントが、印象的だった。

 「すごい人だから」。上司の話をよく聞くと、川端さんは県内の漁協のトップ、県漁連の会長を2000年から務めている。まもなく80歳だが、昨年7月には漁協の共済組合の、全国組織の会長になった。

 原爆の話はもちろん、いろんな経験をしているに違いない――。そう思って県漁連を訪ね、話を聞かせてほしいと頼んだ。川端さんは「ピカをね、見たんだよ」と語り出した。

 長崎市南部、旧土井首(どいのくび)村で生まれた。実家は煮干しの加工・販売業をしていた。閃光(せんこう)と強風のあと、巨大な「きのこ雲」を見たのは、8歳のときだった。

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 長崎市中心部から南へ、車を…

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