(ナガサキノート)総集編:あの人に会いたい もう一度
田部愛・24歳
暮らしの中から:6 恋
《昭ちゃん あれから七十年 随分歳取りましたね/ひどかった火傷 もとの昭ちゃんにもどったかな/神様がきっと昔の昭たんに戻してくれているよね》
長崎市の宮崎幸子さん(86)=2016年に掲載=は原爆で亡くなった幼なじみへ、70年越しの手紙をつづった。昭ちゃんは小学校時代からの仲良しで初恋の相手。1945年8月7日に偶然会ったのが、最後になった。
《若い男女が2人で話すのははばかられた時代で、目立たないよう、腰の横で小さく手を振った。昭ちゃんも同じように振り、互いにうなずき合った。昭ちゃんは笑顔だった。》
8月11日、宮崎さんは、変わり果てた姿の昭ちゃんと対面した。全身が焼けただれて、目が飛び出ていた。
宮崎さんは天国にいる昭ちゃんを想像する。「会いたいと言うより、どうしているかなって。(やけどした)あの顔見てるからね。どんな顔してるかなって思いますねえ」
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