筆の走り ペンの粘り(小原篤のアニマゲ丼)

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 最近見た展覧会から二つ、オススメのものをご紹介しましょう。18日まで東武百貨店池袋店で開催中の「THE 世界名作劇場展~制作スタジオ・日本アニメーション 40年のしごと~」と、10月12日まで三鷹市美術ギャラリーで開催中の「川崎のぼる~汗と涙と笑いと~展」。それぞれ、「母をたずねて三千里」や「赤毛のアン」といった懐かしのアニメの背景やレイアウト、マンガ「巨人の星」「荒野の少年イサム」の原画などが、たっぷり展示されています。流麗な絵筆や鉛筆の走りっぷり、美麗なペンの濃い粘りに見とれれば、ひととき、暑さも忘れようというものです。

 「日本アニメーション」が制作したシリーズの歴史を振り返る「THE 世界名作劇場展」。マルコにフローネにカトリにセーラにポリアンナにティコ、21世紀に入ってのコゼットたんなど、世代それぞれ思い入れのある作品は違うでしょうが、私のツボはやはり「フランダースの犬」から「赤毛のアン」あたり(「アルプスの少女ハイジ」は制作会社が違うのでこの展覧会にゃ入ってません)。

 椋尾篁(むくお・たかむら)さんによる「三千里」の背景は、大胆な構図と筆致、濃い陰影が印象的です。主人公マルコの悪夢の世界は、真っ青な空に真っ白な地面と柱と壁。強い日差しを感じさせながらぬくもりの一切ないシュールレアリスムの世界。

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 井岡雅宏さんによる「赤毛の…

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