(ナガサキノート)80歳の夏、語らなかった記憶つづる
小野太郎・27歳
桑園貞江さん(1930年生まれ)
4年前の夏。桑園貞江(くわぞのさだえ)さん(84)=長崎市若草町=は自宅の6畳間でペンを握り、B5判の紙にあの夏の体験をつづり始めた。
「あんな地獄は人に語りたくない」と、それまで家族にも黙ってきた。かつて小学6年生だった孫娘から「原爆に遭ったとやろ」と聞かれたときも、「あった」とだけ答え、口をつぐんだ。
ここから続き
だが、80歳を迎えたその夏…
4年前の夏。桑園貞江(くわぞのさだえ)さん(84)=長崎市若草町=は自宅の6畳間でペンを握り、B5判の紙にあの夏の体験をつづり始めた。
「あんな地獄は人に語りたくない」と、それまで家族にも黙ってきた。かつて小学6年生だった孫娘から「原爆に遭ったとやろ」と聞かれたときも、「あった」とだけ答え、口をつぐんだ。
だが、80歳を迎えたその夏…