【解説】
 きょう1月15日は1999年までは成人の日。各地で成人式が行われ、私自身も式に出席し、旧友との再会を楽しんだ記憶がうっすらと残っています。今回は成人の日が制定されて間もない1954年1月24日付東京版の成人の日アンケートに関する記事を取り上げます。

 まずは現在の校閲の視点から点検してみましょう。

 冒頭の主見出しをご覧ください。「結婚の相手は自分で」と大きく書かれています。結婚に関する質問で、8割が「自分で相手を選ぶ」と答えたところに注目して見出しにしたようです。

 独身の私は見出しを見たとたん、少しあぜんとしましたが、当時は結婚適齢期も早く、成人になったら考えるのが一般的だったのかもしれません。親やその周囲の人からいろいろ言われたり、縁談を持ちかけられたりした人もたくさんいたでしょう。しかし今は晩婚化の影響で、二十歳で結婚を考える人は昔ほどは多くないと思われます。価値観やライフスタイルが多様化した今では、成人になることと結婚とが直接結びつくものではありませんね。そもそも成人式の話題として大きな見出しで扱うほど重要なものとは思えません。ほかの項目から取り上げるよう編集者に提案してみます。

原文どおりに表記することを原則としますが、読みやすさの観点から

・漢字の旧字体は新字体に
・句点(。)を補った方がよいと思われる部分には1字分のスペース
・当時大文字の「ゃ」「ゅ」「っ」等の拗音(ようおん)、促音は小文字に

等の手を加えています。ご了承ください