(あのとき)1981 窓ぎわのトットちゃん

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 窓ぎわの最前列が、僕の特等席だった。40人ほどの生徒が詰め込まれていた中学の教室。特等席は教壇に立つ先生の死角になる確率の高い場所だった。

 太陽の光は油膜の張った窓に小さな虹をつくる。窓に当たった雨粒は小さなジグザグを刻みながらガラスをはいおりる。校庭のイチョウの葉が不規則に揺れる。雲がゆったり…

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