百済観音、23年ぶり東京に 来年3月

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 奈良県斑鳩(いかるが)町の法隆寺金堂の極彩色壁画(7世紀)の多彩な模写や、日本古代彫刻の最高傑作の一つとされる国宝の百済(くだら)観音(同)などが公開される特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」(東京国立博物館、法隆寺、朝日新聞社など主催)が来年3月から、東京・上野の東京国立博物館で開かれる。寺と博物館などが24日発表した。

 百済観音は1997年にパリのルーブル美術館で展示された後、東京など国内各地でも公開されたが、98年に境内に百済観音堂が完成し、安置されてからは事実上「門外不出」だった。東京での公開は23年ぶり。

 金堂壁画は飛鳥時代に描かれ、現存する日本最古の仏教絵画とされる。1949(昭和24)年の火災で、12面の壁画は色を失った。焼損した壁画は境内の収蔵庫に安置されてきたが、寺は2015年から文化庁と朝日新聞社の協力のもと保存活用委員会を立ち上げ、初の科学的な総合調査に乗りだし、一般公開に向けた検討を進めている。

 特別展では、幕末の1852年に浄土宗の僧侶らが描いた阿弥陀浄土図のほか、明治・大正時代の桜井香雲(こううん)や鈴木空如(くうにょ)の模写も紹介され、描写技法の違いなどを味わえる。

 一方、百済観音(木造、観音菩薩立像〈ぼさつりゅうぞう〉、像高209センチ)は金堂に安置された時期もあった。

 東京五輪パラリンピックにあわせた政府による文化プログラムの中核「日本博」のプロジェクトの一つ。会期は3月13日から5月10日(絵画は展示入れ替えあり)。問い合わせはハローダイヤル(03・5777・8600)。

 (編集委員・小滝ちひろ)

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