(書評)『分解の哲学 腐敗と発酵をめぐる思考』 藤原辰史〈著〉

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 ■日常の細部を全重量かけて探索

 本書を読んでいると、自分の平衡感覚が揺らいでくるのを感じる。直立している体が左右に揺れ、遠近法が反転して遠くのものが大きく見え始める。視界の中心に「分解」を据えると、日常の風景が一変してしまうのである。

 例えば積み木というおもちゃ。おそるおそる積み上げた高い塔が…

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