天性の自由人、核にはドイツ文学 池内紀さんを悼む 評論家・川本三郎

有料記事

 「困ったことがあったら夜中でもいいから電話して下さい」。家内を亡くし一人暮しをしている私にそう言って励ましてくれた池内紀さんが逝ってしまった。身を切られる思いがする。

 池内さんはもっとも尊敬する物書きであり、その飄々(ひょうひょう)とした穏やかな人柄にはいつも心がなごんだ。

 五十五歳の時に東大…

この記事は有料記事です。残り1055文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません