一瞬の隙 第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦 第36局第4譜
第36局第4譜(82―118)
白 十段 村川大介(2勝5敗)
黒 七段 孫まこと(2勝5敗)
(6目半コミ出し)
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村川は前期、勝てば残留の最終戦を落とし、序列1位の高尾紳路が敗れ辛くも陥落を免れた。勝つしかない今期最終戦は、ここまで順調。黒93の踏み込みに白94と押し、左上の黒が薄くなった。
白100の切りで一瞬の隙が生まれた。相手の受け方によっては優位をより確かなものにできる様子見。慎重を期したともいえるが、白113とトンで上辺を備えるのが急務だった。
白100に対して黒102のサガリなら、そこで白113にまわる予定だったか。白Aまたは101が利くため右下は眼形が厚く、展開次第では白Bが有効打になることもある。
孫はこの機を逃さない。黒101と抜いて白102とワタらせ、先手を取って上辺の攻めに向かう。黒113の一撃が厳しかった。
「白118でなりふり構わず参考図の1から右下とつながればリードを保てていました」と結城解説者。しかし白二子を捨てたうえに△三子の取りも残る。実戦心理としては選びにくい。(琴棋庵)
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消費 黒 2時間5分
白 3時間10分
(持時間各5時間)
<訂正>
8月31日付の第35局第6譜の「311ツグ(245)、313同(164)」とあるのは「311コウ取る(245)、313ツグ(164)」の誤りでした。おわびして訂正します。
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