(寂聴 残された日々:49)ふるさとの夕暮れ 「子取りが来るで」、呼ぶ母の声

有料記事寂聴 残された日々

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 まさか、こんな年齢まで長生きするとは、予想したこともなかった。大正十一(一九二二)年五月生まれの私は、関東大震災を、子守の背で経験した。小学生の子守が、小さな背におぶった赤ん坊の私と共に、庭の真ん中にへたりこんで動けなくなったのを覚えている、と云(い)ったら、「この嘘(うそ)つき!」と、大人たちか…

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