(どこからか言葉が)音楽の切れ端 谷川俊太郎

有料記事どこからか言葉が

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三小節にも満たない

その短いピアノの音の連なりが

世界を定義した

言葉にすると

世界は小さく卑しいものに

縮んでしまうと分かっていたから

音だけを繰り返し心に留めた

その音に苦しみの記憶は一片もなく

昔ながらの故知らぬ哀(かな)しみだけが

郷愁のようによみがえる……

 

世界はそのすべてにおいて美し…

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